2010年12月28日火曜日

今年のまとめ

記事の二回目から今年のまとめというのはどうかと思いますが、来年からの活動の件も含めて今年の総まとめをしたいなと。

●アニメそして映像について
自分が生業として始め、自分でも作り続けていつの間にか自分達になったという実感のある年でした。
とともにアニメ業界というものを端的に体験してきて色々と自分のスタンスが固まった年でもあったと思います。

大学生活後半から人と何かを作るということに固執してきましたが、何故そんなことわざわざするのかという疑問を常に突き付けられた年だと思います。

大学の頃は単純に人手がほしいということで友人にスタッフを紹介してもらいお手伝いとしてお願いして
わりと自主制作では長尺のアニメをつくったりしていました。
しかし新作である「てくてく日和」に関して言えば非常に山あり谷ありではっきりいって何度も失敗を繰り返し、挫折を味わってきました。
そんな流れから今年に突入して僕自身、就職して大きな作品を仕事で作りおえて、割と現場のノウハウを活かしたシステムを構築し、今年一年という単位で言えばそれなりに大きな効果を生みここまで歩んできた。

しかしながら、いままでの人生の中で今年ほど人とのコミュニケーションでここまで憤慨したり衝突したことは実はなかった。
規模的にも作業的にもそれなりに各スタッフに課すハードルも高く、自分はどちらかというとスタッフをいち作家とするならば、その作家ここの心理に踏み込んでプロデュースする形に近かったと思う。
その立場ゆえに非常に日常的なコミュニケーションを押し殺してきた一年とも言えるだろう。

やっとここまで来たともいえる。それは僕自身が自分の企画した作品の監督、演出、プロデュース業に完璧にシフトし、「自主制作なのに自分は絵をかかないですね」などと嫌味も言われつつw
それでもやりつづけた。
結果はどうれあれ僕としては非常に大きな一年だった。
大きな意味でさらにいい意味で中途半端な立ち位置を通し続けてこれた一年だと思う。
その反面、僕は自分の作家としての修業は完全にここ数年は殺してきた。
どんなに作家的なものをよしとする人間にさげすまれてもだ。
これによって得た考察やノウハウというのはかなり臨界点に来たと思う。
逆にいえば、ここまで自分を主張するということを殺し排除して一年間過ごしてきたことで得られた部分も大きい。
正直にいえば、きっと自分の周りにいる人間にも非常に冷ややかな目で見られたし、皮肉や屁理屈をずいぶん言われてきた。
だが戦略とシステムを構築して自分のやりたいことをプレゼンする能力というものを自分なりにかなり考えて行動できたという自負はある。

その大きな1つの成果として、自国のアニメと海外のアニメというもののボーダーが自分の中でなくなり、ひとつの大きな視点でアニメーションを考えることができたことが大きい。

もう去ってしまったスタッフのひとりでかなり僕も嫌な別れ方をし、さらにいまだに許すつもりはないのだが;
その彼の影響は凄く大きい。そのスタッフと綿密に話し合う中で国内のアニメーションと海外のアニメーションの距離感についてはずいぶんと比較し語り合った。この比較は非常に僕のコアになり始めている。

というのも今年は僕自身日米合作のアニメーションの仕事に関わったこともあり、また海外を意識したアニメーション作りというのが今年は少しずつ日本のアニメ産業にも芽を出した。
芽を出したというと非常に聞こえがいいが、悪い意味で僕はとらえている。
日本のアニメーションのスタンダードは海外のスタンダードの中に入るといきなり脆弱なるというのを身をもって体験した。これによりおそらく「日本のアニメは独特だからしょうがない」という人はいると思うが:
僕はそうは思わない。
今年の後半で出会ったすばらしい作品アイルランド・フランス・ベルギーの合作「ブレンダンとケルズの秘密」を見て作品的にも監督の思想的にも僕に大きなショックを与えた。



監督のトム・ムーア氏も語っていたが、あきらかに日本のアニメーションの古典を意識し影響された痕跡が見える、だけれども非常にホームベースのアイルランドである意味のあるアニメーションだった。
またトム監督がいかに戦略的な目をもって行動し今の段階まで来たかを聞ける機会や直接お話をできる場に赴き僕は自分がアニメーションをこれから作る上でも非常に実りが多かった。

僕ら日本人はどうしてもアメリカンコンプレックスがあり、ハリウッドや巨大な資本主義のようなものに謙ってしまう根性がしみこんでいるが、実際は日本独自、アメリカ独自と語る以前にしっかり世界のアニメーションのスタンダードを踏襲したうえで、これからのモノ作りを考えていく必然性があるのだということを強く感じた。
この戦略という意味も少しずつ行動として来年頭から見せていく予定なので興味のある方は見守ってほしい。
ことしはピクサー、ドリームワークス、映画では「インセプション」または去年から一気に活気ずいた飛び出す3D映画、はたまたジブリの新人監督の誕生などなど映画、映像業界は話題でもちきりではあったものの数少ない話題作品以外に多くの不発弾も多くやはり映像娯楽産業全体が大きなガジェットで話題を作って
客を引く時代の限界を見た。
何故そう思うかというと個人的な感想ではあるがどの作品に参加した作家の次の動きに興味を持てなかったからだ。たくさんの良作はあるものの、今後に期待できる作家に出会うことはなかった。
逆にいえばこれから無名の実力者たちの登場を期待させる展開でもあった。
いまのマーケティングの頂上はもはや富士山のゴミが散らかっている状態に近い。
そういう意味でも来年は非常に楽しみである。
また都内では表現の規制について一年間大きな議論を巻き起こした。
これについては書くとかならずバッシングを受けることが分かっているから書かないw
ひとついえるのは、元々政治的な陰謀ではじまったかもしれない規制かもしれないが、日本のクリエーターが
いままで無視してきたやるべきこと(娯楽を子供達の手に戻すということ)も含めて自分たちの今までの行動を見直す時期にかかっているいい機会だとは思っている。
ひとついい加えるならば、やはりアニメや漫画という娯楽に興味のない人間はどうがんばってもそういうものを規制したり批判するにきまっている。ならば表現の自由を唱える前に彼らと対話して恥ずかしくない行動を起こすことも大事だと考える。宮崎勉事件の世間の批判があったときもそうだが、「僕達には関係ない」とは絶対に言いきれない。僕らは表現をする以上かならずそういう批判や規制の場に立たされる負い目を持つ現状にしてきた責任もかならずあるのだから。



また来年は引き続き「てくてく日和」の制作を胃の痛みと吐き気を催しながらもきっと淡々と続けることであろう。と同時に作家である自分の作品を発表できる準備もしている。
このふたつをうまく形にして世に出せるようこれからも活動を続けようと思う。

てくてく日和の形と限界がシステム的にも見え始め、そして今年の締めくくりに再三言っている新しいwebでの活動配信の打ち合わせが完了したので今年はなんとか安心して過ごせそうだ。
来年はもっと激しいバトルになる予感だけはぬぐいきれないのも事実ではある。


作品鑑賞という意味では今年は割と西洋というものに大きく振れた年だった、来年は日本におけるオリエンタリズムというものに着目したいと考えている。日本の中世から近代にかけての絵画なんかは足を運んで色々と刺激を受けようと考えている。

最後に「ブレンダンとケルズの秘密」ほどではないが自分なりに結構ショッキングだった海外の映像作品について3つほど触れて終わりたい。

MARGARITA from HAMPA STUDIO on Vimeo.



一つ目はスペインの HAMPA STUDIO が制作した短編アニメーション『Margarita』です。
ヨーロッパ圏にはちゃんと2Dと3Dの共和と進歩が存在するという意味で非常に刺激を受けた。
大枠で言えばいわゆるここ最近の西洋圏の短編アニメーションといった感じだが、やはり日本の古典アニメーションの影響をブレンダンと同じく強く感じる。かつスペインらしいどこか日差しの強い明度の高い色味なんかは素晴らしい。こういう国産アニメがワールドスタンダードな状況下で生み出されている事実を日本人も気付くべきなのでは?と強く感じた。



二つ目は「Misery Bear」というイギリスのテレビで流れている短編。
これは僕が考えている日常の世界とフィクションの世界の繋がりというものを非常に明確に示してくれた作品だと思っている。
実写で撮られた生活感のある日常空間(平均的な中年男性のさびしい日常)をクマのぬいぐるみ(キャラクター)を通して見る。
これはキャラクターというフィクションを通して、だれもが親近感を覚える日常の風景やしぐさを体感していく。まさに現実と非現実の狭間のような作品だと感心した。
これはある意味、娯楽とくにアニメーションの根源的なものをつきつめたような作品だと思う。



三つ目は日本の劇場作品でマッドハウス制作の「REDLINE」という作品。
アメリカンコミックのような海外の劇画表現に影響を強く受けたクリエーターが多く在籍するというのもあるが。海外のアニメーション表現をうまく日本的に消化できたという意味では一番完成度の高い作品だと思う。
ものまねではなくいかに影響を作品に変えるのかという意味でも非常に大事で、その結果がアメリカやフランスでの受賞にもつながっているのだと思う。様式的に海外のものを真似るのではなく、いかにそれを自分なりに消化するかによって日本と海外のボーダーはなくなる。そんなことを感じる一作でした。


さいごにおまけで前述のトム・ムーア監督の次回作のパイロットフィルムです。


こちらはまた作画システム自体も大幅に変えるそうで非常に楽しみです。

ではよいお年を
来年もよろしくお願いいたします。

2010年12月24日金曜日

リニューアル

サイトのほうのリニューアル準備に伴い。
こちらのブログもリニューアルで活動を開始いたします。
よろしくお願いいたします。

初めての方に自己紹介をします。
イワイといいますはじめまして^^

ここで報告することとは思いますがただいま自主制作アニメーションをチームで製作しております。
活動もそろそろネット上で公開できるものができてきたので
そちらを公開したり。
自分たちの作品だけではなくさまざまな短編アニメや映画から得たイメージをここで話して生きたいと思います。

いままでもここでブログにを書いていたのですが、話題がいろいろと飛んだり混ざったりしていて非常に不明確な面が多かったので、自主制作を中心とする映像やさまざまなものから自分なりにインプットしたイメージなんかを自分の生活に結び付けて話していこうと思います。

では新たなブログを始めます
よろしくお願いいたします。