2011年1月25日火曜日

新しい映像の流れ

映像を作りきっかけは何か?と聞かれたら自分は映画と答えるわけですが・・・。
いろいろ自主制作の作家さんの話などをネットで読むと「最初はゲームのムービーに影響された」という若い人が案外多いことに気付く。
なんとなく自分の中での疑問が晴れた。
というのも学生時代にもゲーム業界にあこがれている人が結構いて。
個人的にはクリエイター業界のなかでは高収入だからだろうななんて思っていたが、どうやら違うのではないかと思えてきた。
ゲームが作ってきた映像の世界に純粋に憧れている人が相対的に多いのではないだろうかと・・・

実際にゲームをプレイすることで得られる身体性=体感できる世界観は思い出や思い入れを持ちやすく
さらにゲームクリエイターという職業はいかにその快感をユーザーに体感させるかを考える。

モニターに映し出される快感というのは映像という大きな分野でいえば共通している。
昨今の3D映画の流行も含め、批判的な意味ではなくいい意味でゲーム性=仮想の身体性を持った作品をが愛されているということなのかもしれない。

映像自体の文法や方法論ではなくユーザーと作り上げる映像の記号性の構築というのが今のトレンドなのかもなぁとふと思った。
簡単に言えば、ゲーム的な記号表現が、昔からある映像理論みたいなものを凌駕しつつあるのかもしれない。

映画愛好家というのはゆるやかに絶滅に向かっているような気もする。
特に僕もそうだが、いまだに映像詩とかヌーベルヴァーグの世界にあこがれている人間はそろそろオールドタイプの人間なのかもしれない。
昨今の映像作家の持つ、初々しい新鮮さみたいなもので、いつもそれが自分には足りないなぁとか思ってしまう。その正体が少しわかった気がする。

身体性の秀でたものが求められているという意味で(アニメでも動きという身体性が求められているのではないだろうか・・・・すごくつながっている気がする。アニメーター出身の演出家が増えてきていることとか。小難しいことを考えている文筆家タイプではなく)

これはこれでひとつの新しい流れなのかもなぁという。
古いものも消えないけど、あきらかに新しいものが浸透してきているというお話です。


ゲームといえば結構面白そうなゲームの映像。


世界観は抜群のセンス。ここにどういう身体性がはいってくるのかが気になる。


逆に映画的な手法(コンテというか演出的に?)と海外ならではの実験的な試みとセンス(ここでいうセンスは外国人が好んで使うアニメーション技法のこと。ロトスコとかフラッシュとか)が見事にはまっている作品。特にテクスチャー表現は目から鱗状態。ここまでうまい使い方はあんまり見たことがない。

The Thomas Beale Cipher from Andrew S Allen on Vimeo.




最後に最近聞いている音楽。

青葉市子


美しい声と旋律が素晴らしい!
よくよく聞くと結構痛々しい歌詞だったりするが
昨今のポエミーな文章をむりやりフォークソングにはめこむような強引さはなく(なんたらの神様みたいな;)優しい刺激と言う感じ。
この人の白鳥さんの名曲「遠いあこがれ」のカバーもいいですよ^^

結構邦楽は女性の優しい曲が多いです。

これはアニメ好きの人のなかでは人気のある新居昭乃さんのライブ
アニメの主題歌よりこういう曲のほうが僕は好きです。
なんか死んだ魚の目をした美しい女性がベランダ越しにうなだれているような感じ?(ほめてる?)

ではでは

2011年1月23日日曜日

サイト更新

サイトをリニューアルいたしました。
プレオープン開始です。
今後ともよろしくお願いいたします。

http://www.interfacedogs.com/
無償でここまで協力してくれたwebデザイナーのasobo design factory さんには本当に感謝です。
是非今後も盛り上げていきましょう。

ラッシュも何カットか完成し、サイトもリニューアル。
これでいろいろと船出の準備ができたという感じ。
今年はほんと正面場です。

もともとこういうある意味、システムの構築であったり、論理的に動いたりするのは苦手だったりします。
去年はずいぶんそれで無理をしました;

今年は制作に集中したい。
作品としての見てくれではなく手触りのある作品を作っていきたいと思います。

最近MONSTERのDVDをみている

原作ものでありつつも見事なレイアウトとカット割りで舌を巻く。
たしかにアニメーションにとっての喜びはアニメートすることでもあるが
それと同時にいかに構図とリズムが大事かということが嫌というほどわかる作品でした。
むしろ大きいスクリーンで見るとたまに作画の線やデッサンが崩れていることもままある作品です。

しかしそれでも魅力があるのはなんなのか?

この作品においては臨場感と物語の面白さ、それを支えているのは作品におけるリズム感、テンポにほかならない。
絵コンテ、演出に明らかに重点が置かれていることがわかる。
特に顕著なのは撮影処理で、作品における世界観の光と影を見事に描いている。
こういうアニメもまた魅力にあふれているということを改めて再認識しました。

自分たちの作品においては、いろいろとラッシュを見ると反省点も見える
演出のゆるさ、余裕のなさは少なからず見えた。
この辺は気を引き締めて今後も政策に挑もうと思います。

2011年1月19日水曜日

いろいろと更新

モニターなどなどいろいろと新調したせいでかなり作業に不具合が生じていたのですが、
なんとかまきかえしてきた。慣れたら以前とは比べ物にならないほど快適な状況になっています。
16日の日曜日に作画監督とできている映像の部分のラッシュチェック。
いままでの作業のフローチャートは反省点が何点か見られました。
エフェクトと主線の色トレに関しては方向性が定まったと思います。
スタッフの鍋パーティーはもしかしたら2月頭になるかも。
ぜひその時にラッシュのチェックをみんなでしたいものです。


つづいて映画感想です
ツイッターでかいたものを貼り付けます
「チェブラーシカ」と「くまのがっこう」見てきた! 結論から言うと両方とも予想に反してめちゃくちゃよくできてた;驚いた



「チェブラーシカ」
おそらくかなり予算がかかっているのではないだろうか・・・・。とにかく元の作品に対してノリスペクトがちゃんとなされている。昔のロシアアニメーションポイ動きだとか演出の部分がすごくきちんとできていて、よくある子供だましのアニメになっていない。十分楽しめる
個人的な感想でいえば、モブキャラに仙人リスペクトでハリネズミ君がたびたび登場して吹いた。吹き替え版キャストでワニのゲーナが土田大さんで(おおにしぃー)すごいショタコン変態紳士っぷりだった。ゲーナが主人公だよねチェブラーシカは。全裸でパイプくわえて新聞読んでる姿w
大きくまとめると、おっさん紳士が幼女と小っちゃい少年と戯れる素敵なお話でしたwゲーナはやはりもゆる。作り手も結構クスッと笑えるギャグみたいなのを邪推で嫌味に感じないように丁寧に演出していて結構子供と一緒に見に来ている大人も楽しめるように作られていてよかった。
クオリティ自体がやたら高いなぁと思ったらアニメーションのスタッフは脚本演出以外はほぼ外人。演出日本、アニメ制作はほとんど海外グロスはこれから割とスタンダードになりそうな予感。脚本が日アニ系の島田満さんがいたり実は豪華だし。脚本が四人くらいいたので堅実なつくり
「くまのがっこう」
こっちが目当てでみにいったんですが、これも凄くよくできてる。原作ファン歓喜の出来ですよこれは。絵本を絵本風に演出するんではなくて、原作の面白い部分をアニメ表現としてきっちり作り変えていて、原作テイストではないけれど原作ファンが喜ぶ演出になっている。
ちゃんとジャッキーが破天荒だけど泣き虫な子供として描かれていて、なくときの描写がまた素晴らしい!涙ではなく鼻水が垂れるというディティールを強調していて子供っぽい大泣き感がちゃんと演出されている。内容も短いけれどきっちりとキャラクターと世界観を楽しく描いていた

CGIもいい案配で使われていて違和感がなかったし、原作をどうおもしろく見せるかの工夫に余念がない。絵本にはないオリジナルなテイストもうまくいきている。なによりこの原作はしっかり者だけど泣き虫な妹を見守る11人のぼんくら兄貴たちをどう描くかにかかっている。
そうじていうと「チェブラーシカとくまのがっこう」の子供アニメ祭り?は売れ行きは別として作品としては近年では稀なグッズ商法抜きで親子の気持ちをがっちりつかむ企画として成功している。子供向けだからという舐めた姿勢がみじんもない。惰性な部分がないんですよ。昔の日アニを思い出した。
大人も一緒に笑って楽しめるように配慮されているのも大きい。この2作品は「ペネロペ」「リタとナントカ」に並んでここ最近よくできている子供向けアニメに自分の中で殿堂入りした。難を言うなら、3Dの動きがまだこれからという感じ。どうしても重力がない感じに得てしまう。演出でカバーしてるけど
あと今回のチェブラーシカみたいに、監督脚本演出は日本サイドで、あとはほぼ海外という作品は増えるかもなぁ。極端にいえば今の若手の日本のアニメーターは嬉々としてこういうものに参加する傾向は感じられないし、へたなことするなら作家アニメーターや海外のグロスのほうがこういうのは慣れている。
海外が絡むと制約は多いけど、メリットも結構あるし。結構大きな問題を投げかけられている気がした。この手のものはわりと子供だましなものが多いけど、演出サイドがきっちり作っていたから、かなり内容が詰まっていた。やろうと思えばちゃんと作れるという見本みたいな映画でした。以上

鑑賞後、ウキウキ気分で電車乗ったらばったりやり手のデスクさんにあっていろいろ話したが世知辛い話ばかりだった;いやぁーみんな大変そう。

2011年1月15日土曜日

久々に映画について

とりあえずサイトリニューアル用の素材はほぼ作り終えたのと
アニメは今ある素材の撮影はまどが見えてきた。
今日は仕事が忙しい作画監督とちょっと話した。
色々とこっちも気を使ってはいるがしんどいかなぁと心配していたスタッフでもある。
自分「大丈夫?プレッシャー感じてない?」
作画監督「いつもプレッシャーかけてくるじゃないですかw」
自分「そうだね・・・今後も続けてもらっていい?」
あんまりいってはいけないことをつい聞いてしまった
作画監督「死にたくなることがない限り続けますよここまできたら、まだまだこれからが本番ですよ!」

なんか励まされたw
こういう一言は本当に嬉しい。
彼とは三年くらい一緒にやってきたが、正直ここまで続くとも思わなかったし、彼がやり続けてくれることがどれほど力強いか・・・・。
ホント嬉しかったです。
とりあえず16日に一緒に作業します。

んで今日は映画の話を久々に。
インセプション・トイストーリー3・ヒックとドラゴン・キックアスなどなど、ちょっと極端ですが去年からかなり海外の作品が話題を集めていますよね。今度やるソーシャルネットワークなんかもそうですね。
クリエーターさん達のツイッターとかでもこの辺は頻繁に登場しますよね。
「ノルウェイの森」「ヤマト」も一時期話題になりましたね。

そんな中、個人的に去年ベスト1映画で友人にオススメされて見に行った映画がこれです。


「海炭市叙景」
細かいこというとまた暴走するので;短くまとめますが;
本当に現存の邦画では自分にとって理想の映画だった。
音の設計、音楽、役者、演出全てが僕にとっては理想でした。
日常を描くというのは、そこに感動的で大袈裟なカタルシスがあるのではなく
ただ淡々と何か起こりそうで起こらない、何も解決しない、だけど生きていく中で人は少しずつ変わっていく
それはいい意味でも悪い意味でもですがそんな身近な日常を丁寧に描いている映画でした。
音は結構邦画は鬼門なところがあるのですが、些細な仕草でおこる音もきっちり拾っていたのと
音楽がほとんど流れていなくて、ピンポイントで流れていたのは凄くよかった。
カメラのフィルターというか色味、明度や質感も抜群で画面から北海道のいてつくような寒さや乾燥した空気がこちらに伝わってきました。
向こうの映画の様なビックガジェットであったり派手な演出ではなく、日本の日常を凄く丁寧にかつ涼やかに淡々と描いていて、これは近年まれにみる個人的なヒットでした。


「てくてく日和」でやりたいこと結構まんまでしたね;
街が主人公でしたし、「てくてく日和」における最後のオチはあれでいいんだと自信が持てました。
むしろそこは徹底的に描くべきだと。
是非自主スタッフにも機会があれば見てもらいたいですね。
こういうことがやりたいといって見せたら一発だもんこれw

邦画もまだまだ捨てたもんやないですよホント。

役者は主演の兄弟役の谷村美月さん竹内ピストルさんも本当に素晴らしかった。
ああいう表情の描き方をアニメでやってみたいなぁ
表情が少しずつ変わっていく感じとか。

あと最近やたら見かける加瀬亮くん。(大分前からいろんな映画出てくるけど)
彼は凄いですね、浅野忠信さんとはまたちがう空気メーカーですよね。
彼が出ているだけで画面を緊張してみてしまう。
特に去年くらいからイメージとは違う役をどんどんやり始めていてちょっと尋常じゃない。
ガスヴァンサントの新作にも出る予定らしいですね。凄いです。

最後に気になった動画を


クオリティーというより手法が面白いなぁと
人形アニメだけど結構2Dとの合成を使っていて
こういう表現を突き詰めてみるとまた面白いかもしれませんね^^

2011年1月8日土曜日

年始

あけましておめでとうございます^^

今年も始まりました。

・てくてく予告編
・短編作品の準備
・サイトリニューアルの準備

とやることが多いですが;
今年もよろしくお願いいたします。
諸々打ち合わせも進めないといけないといけないのでホントやることがどんどん増えている現状です。
なんとか一月以内に色々と形にしてお見せできればと思っています。


年末年始は延々と作業中に川尻作品を流しておりました。
「妖獣都市」
「獣兵衛忍風帖」
「ザ・コックピット」
「鉄腕バーディー」
「バンパイアハンターD」

などなど
他にも
「はぐれ雲」
「カムイの剣」

川尻・りんたろう・真崎守監督
なんだか旧マッド作品なラインナップですね。

作品が面白いから見ているというのもありますが、ある時期ブームではあったものの廃れてしまった
漫画活劇・劇画漫画表現は新しいアニメーションの表現のヒントになりそうな気がします。

具体的にいえばアニメーションにおける動きと止めのバランスですね。
縦横無尽に動くところは動き、きちんと止めるところは止める。
この静と動のコントラストが娯楽作品としてのコントラストになっている。
これは日本的な様式美そのものだと思います。

その辺は自分なりに消化できるまで探ってみたいと思っています。

しかしつくづく自分が影響を受けたものは虫プロ・タツノコ出身者のつくったモノが多い

杉井ギサブロー・出崎統・杉野昭夫・川尻善昭・りんたろう・真崎守
そして押井守・なかむらたかし 

それ以外だと斉藤博さんなんかは凄く影響を受けた。

多分妄想だけど今の若手のアニメの作り手は

ジブリ・ガイナックス・IG系列の影響が色濃いと思う。
自分の世代もそういうものが一番触れやすい環境ではあった。

しかし中学の夏に出崎統監督に魂を持っていかれたのが大きいなと;
映画好きだった自分にとって虫プロ世代の人々が描く世界は親和性が高すぎた。

そこからジブリやガイナックスの様なアニメの醍醐味から離れてしまったのが多分わかれ道であり
アニメ好きという方向性から離れ、ある意味邪道な世界に踏み込んでしまったのは作品を作る上では
いい意味でも悪い意味でも大問題なきはする。



獣兵衛の予告


ちなみに全く関係ないですがフランスのアニメ会社annkamaの人気作品「wakfu」の新しいOP見ました。どんどん日本的なアニメーションの作画のケレンが海外に取り込まれているのではないかと思えてならないです。



画面の盛り立てが日本っぽいですよね。


あと面白いなぁと最近感じた動画

Tokyo City View from darwinfish105 on Vimeo.



カメラを介して撮るということは現実を移すのではなく
レンズを通して撮り手の世界観を反映させるものであるということが本当によくわかる映像。
まるでミニチュアのように映し出される街が凄いですよね。