
出崎統監督がお亡くなりになりました。
僕にとってはひとつのアニメーションの星が消えたといってもいいでしょう。
「ガンバの冒険」「あしたのジョー」
「あしたのジョー2」「宝島」
「家なき子」「おにいさまへ」「ルパン三世」
「エースをねらえ!」「コブラ」「白鯨」
と本当に大好きで。繰り返し繰り返し何度も見ています。
杉井ギサブロー監督・押井守監督そして出崎統監督は僕にとって憧れであり
僕の幼少期のアニメ体験を大きく変えてくれた本当にかけがえのない監督でした。
今日はその中でも僕の中で思い入れの強い作品を紹介しつつこれを追悼させていただきたいと思います。
「ブラックジャック OVA」
僕が初めてショックを受けた出崎作品はブラックジャックです。
出崎監督を意識するようになったのは中学生の頃に見た「あしたのジョー2」と「ガンバの冒険」ですが
当時小学生だった僕の脳裏に焼き付いたのはこのシリーズです。
割と厳しい母だったため当時流行のアニメは見てはいけない環境でした。
許されているのは世界名作劇場やムーミンといった一見子供向けに見える作品のみで
過激な描写のものは見てはいけないということになっていたのです。
当時、熱を出したときのみ母親と父親はビデオレンタルでアニメを借りてきてくれるのです(そこで銀河鉄道の夜に奇跡的に出会っていたわけですが^^;)
手塚治虫原作ということで親も安心したのでしょう。
このブラックジャックの三巻「マリア達の勲章」を借りてきたのです。
しかしこのブラックジャックなんといっても出崎監督の個性が大爆発した男臭いバイオレンス&エロスな作品で、当時の僕はぽかーん状態^^;
なにせ病に倒れた将軍と部下たちが国外に逃亡する話で、それを追う政府の特殊部隊との容赦ない戦いの嵐ですので;もうブラックジャック関係ないじゃんとw
このシリーズ、内戦だのクーデターだのヤクザと刑事の戦いだのもうほんとやりほうだい^^
しかし僕は祖父とこっそり?押井守だの洋画だの見ていたのもあって
手塚治虫作品というより出崎監督の映画的な描写の連続にすごく興奮した記憶があります。
アニメーションでこんなことが描けるんだ!という驚きと興奮は今でも忘れません。
今でこそアニメが劇画の影響でリアリスティックに描かれるいきさつを知っていますから、なんというか当たり前のものとして見れるのですが。
小学生の僕にとってアニメとはそういうものではなかったので、この入り乱れる暴力とエロティシズムには強い魅力を感じました。
先に挙げた監督達はアニメーションは決められたセオリーだけではなくときには映画的な手法もしかり、いろいろな方向に広がっていいものなのだということを教えてくれた心の師匠のような存在です。
特に出崎監督は有名なハーモニー処理だけではなく、光の入れ方や陰影のつけ方など撮影処理においても非常に実験的な絵作りをされて、アニメと親和性が高いともいえないような効果すら積極的にアニメーションに取り入れていたことは非常に印象的です。
これも今にして思えば真崎守監督や川尻監督、りん監督といった出崎さんと同じ虫プロのクリエーター達はあるときは映画的な、ある時は漫画劇画的に様々な実験をしていたことを知るのですが、小学生の僕の初体験は非常に驚きに満ちていました。
「エースをねらえ」
劇場版の1とかは僕より年上のアニメファン、クリエーターの方に多大な影響を与えていると思いますが、僕の個人的な思い入れでいうと2は総監修と絵コンテという立場でしたが、非常に印象に残っています。
コーチの死後、心に傷を背負いながらなかなか立ち直れない、岡の再生の物語でもあり。じっくりと人間のドラマを描いていく描写に非常に感動しました。また杉野さんの描くキャラクターの仕草やポーズもまた出崎監督作品にとってはかかせない魅力でした。このOPはどこはかとなく杉野さんのいつもとは違う一面も感じさせるので好きです。
「雪の女王」
これは近年の作品ですね。昔普通に感想系のブログ描いてました^^;
このEDが凄く好きです。出崎監督は人の営みではなく、人の生き様をびしっと描くところが凄く素敵です。
ゴルゴとかどんどんリアリスティックな劇画になっていく作風がここでまた「家なき子」のような子供向けの旅モノになったというのも驚きでしたし、毎回力技ながらダイナミックに見せる1話完結のゲルダ達の旅は本当に面白かったです。そして「マッチ売りの少女」のような救いのない物語を徹底して描いたり、出崎監督に衰えなし!と感じさせるパワフルな演出は実に見ごたえがありました。
そして最後のEDでゲルダを見守るような優しい視線にグッとさせられたものです。
描きだしたらきりがないですが僕が生まれる以前の作品から近年の作品まで、僕にとって出崎作品は大事な宝物です。いままでほんとうにありがとうございました!
僕も誰かをそういう気持ちにさせる作品を作りたいと願いつつ邁進したいと思います。

0 コメント:
コメントを投稿